低温調理の覚え書きです。
美味しい鶏肉を食べるための前知識
お肉を美味しく食べるには
低温でお肉を調理すると、今までに食べたことがないほどジューシーなお肉になると聞きました。
ついにわが家にも低温調理器ANOVAが届いたので、美味しいお肉の作り方をまとめました。
お肉を構成するたんぱく質について
お肉は以下の3つのタンパク質で出来ています。
筋形質たんぱく質
全筋肉たんぱく質全体の30%を占める水溶性のたんぱく質。
食肉の味や風味に関係しており、55℃~65℃で凝固する。
筋原線維たんぱく質
全筋肉たんぱく質全体の60%を占める塩溶性のたんぱく質。
お肉の主体を構成しており、65℃から収縮し、70℃から固くなり80℃で収縮が止まる。
肉基質たんぱく質
全筋肉たんぱく質全体の5%を占める筋肉を包む膜や腱などを構成するたんぱく質。
所謂コラーゲンなど。70℃~80℃で長時間加熱によりゼラチンへ変化する。
脂の融点
鶏脂の融点は30~32℃なので口に入れただけで溶けます。だからヤキトリは美味しい。
塩分濃度について
人間が本能的に美味しいと感じる塩分濃度は人間の体内と同じ0.8~0.9%とのことです。
調理するお肉の重さを計って、使用する塩分量を算出しましょう。
殺菌に必要な加熱時間
お肉に火を通す理由は、お肉の菌を殺菌するためです。
鶏肉に多い”カンピロバクター菌”、”サルモネラ菌”どちらも感染すると発熱、嘔吐、下痢などの症状が現れます。
カンピロバクター菌
鶏肉の場合、55℃で2分以上加熱すれば死滅
サルモネラ菌
非加熱食肉製品(火を入れずに食べる肉製品)の場合、55℃で21分以上加熱すればOK
食中毒の原因の菌って55℃以上だと生きていけない説
130°F/55℃ 食中毒原因菌が生存できる温度の上限
まとめ
色々なレシピサイトの情報を見た限りでは、鶏肉の場合55℃で60分以上調理すれば美味しくできそうです。
55℃以下の温度だと菌が殺菌されないので注意が必要です。
また、55℃からたんぱく質が凝固しはじめて、65℃以上で収縮し始めます。
美味しさを求めた結果の55℃で60分以上の加熱です。
美味しさアップのために出来上がりに表面を軽く焼いたりバーナーで炙るのもおすすめで、菌に対しても安心感が湧きますね。
実際に調理してみた
準備
鶏肉を用意します。
味付けは家にあったスパイスを適当に。
お肉は”広告の品”知床の鶏もも肉。量は252グラムです。
お肉の0.8~1%にあたる塩分量にすると美味しくなります。
約2グラム
塩含めスパイスなど適当に。
皮は最後に焼いた時に縮むので、フォークで穴を開けておきます。
真空パックの代わりにジップロック等の袋に入れます。
レモン果汁も入れました。
オリーブオイルは空気を抜きやすくするために入れました。水につけて、水圧で空気を抜きながら口を閉めます。
調理開始
アプリで温度とタイマーをセットします。予め水を少し温めておくとスムーズです。
鍋に入れるとこんな感じです。
設定は55℃で60分。その後表面を焼きます。
60分経ちました。完成です。少し白くなりました。
表面を少し焼きます。
完成
肉汁に塩コショウして煮詰めたソースとバルサミコ酢をかけて完成です。
実食
断面です。
全体的に柔らかく凄い切りやすい。
口に運ぶととても柔らかい口当たりと、溢れる肉汁のジューシーさを強く感じます。
見ていて気がついたかもしれませんが、僕は料理はあまり上手ではないので、いつも適当に作ってしまいます。
しかし今回はとても美味しく出来上がり満足です。
夜中にお肉250グラム全て食べてしまいました。